最近はSaaS導入が流行っています。
Software as a Serviceの略称です。
一昔前にはSAPなどのパッケージ導入が多かったですが、さらに一歩進んでSaaSが主流になってきています。
しかし、SaaSの導入にはさまざまな観点で気を付けるべきポイントがあります。
グリコのシステム障害は記憶に新しいですね。
SaaS導入のプロセス
SaaS導入のプロセスは、通常のシステム開発とは大きく異なります。
- 候補SaaSと業務のFit & Gap
- 製品選定
- 導入ベンダー選定
- コンフィグレーション
- 業務トライアル
- リリース
かなり大まかですが上記のステップで進みます。
通常のシステム開発にあるような要件定義、設計、開発、テストといったステップはすべてコンフィグレーションに集約されています。
注意
ただし、この通りに進むことはほとんどありません!
なぜ、この通りに進まないかというと、どうしてもSaaSに合わせられないGapというものが出てくるからです。
製品選定の段階で精査して、Gapのない製品を選べばいいのでは?という声が聞こえてきそうですが、日本の商習慣にあったSaaS製品は多くないというのも大きな理由のひとつです。
しかし、製品選定が重要なポイントであることは間違い無いです。
レバティックキャリアのご紹介です。
SaaS導入の注意点
パッケージ製品やSAP導入の基本は「Fit to Standard」になります。
製品の仕様に業務を合わせる、つまりStandardは製品のほうであり、そちらに合わせて業務プロセスを見直していきましょうというものになります。
パッケージ製品導入の時からよく聞く「Fit to Standard」という言葉ですが、多少のアドオン開発(追加で各会社の固有機能を開発すること)ができるパッケージ製品と比べ、SaaSの場合はいっさいのアドオン開発ができません。
そのためには、製品選定が非常に重要なポイントになります。
ポイント
基本的な業務プロセスとのFit & Gapはカバーされますが、落とし穴がいくつかあります。
具体的には下記の3点は漏れがちなので要注意です。
- マスタデータとチェックロジック
- 関連システムとの連携
- 運用の観点
マスタデータとチェックロジック
業務プロセスとのFit & Gapは検討しても、マスターデータの検討は忘れてしまいがちです。
マスターデータとして持っている項目が多い、似たようなマスターが複数あり同時管理している、マスターデータを使ったチェックロジック機能が多い、などのケースは注意が必要です。
SaaS製品の場合、マスターデータとして持てる項目への制約がある、似たようなマスターでも完全に別物として管理、マスターとのチェックは弱いといったことが考えられます。
チェックロジックについて
SaaS製品のチェックロジックはあまり種類がないことが多いです。
その理由としては、日本と海外の文化の違いにありそうです。
会社システムの場合は、承認ワークフローが入るケースが主だと思います。
しかし、日本の場合は「承認」といっても責任が発生するとはいえず、どちらかというと「確認」に近い意味合いが強いです。
そのため、内容の正確さはシステムに任せたいという要望が多いです。
一方で海外は中身を確認したうえで、責任をもって承認しているという文化になります。
そのためSaaSベンダーからすると、承認のワークフローがあるので、なぜそこまでチェックロジックが必要なの?という考えになります。
なんのための承認なの?というわけです。
文化の違いだから難しいですね、、、
関連システムとの連携
業務プロセス、マスターデータときて、次に考えないといけないのは、周辺システムとの連携です。
SaaSだけで完結することはなく、関連システムとの連携が発生することが多いです。
一番わかりやすいのは、従業員情報を管理しているシステムとの連携です。
人事システムのSaaSであっても、経費精算のSaaSであっても、従業員の情報は必要になります。
他にも予算管理のシステムとの連携や、すでに会社にあるERPシステム(企業活動の基幹をなす「会計」「人事」「生産」「物流」「販売」といった業務をカバーするシステム)との連携は、基本的に発生します。
すでに動いている社内システムの機能変更は難しく、繋ぐことが非常に難しいです。
SaaS製品のシステム連携の仕様は厳密に決まっていますので、間にETLツールを介してそこに合わせて行く必要があります。
業務プロセスはFit & Standardで進めているのにも関わらず、関連システムとの連携は現行保証ということになってしまう事も多く、SaaSのもつシステム連携の機能はしっかりとした分析が必要です。
立ち上げ後の運用
いざシステムが立ち上がったあとのことを考えます。
システムの立ち上がったあとで、「Fit & Standard」と「Gapの帳尻合わせ」に追われた結果、日々の運用が人間系の仕組みになってしまうことがあります。
立ち上げ後の運用のしやすさ、という観点も製品選定には重要でしょう。
また、SaaSという製品特性から、定期的なバージョンアップが入ります。
良い面も多くある一方、業務ユーザからすると変化が多いので、そこに対してどのように対応していくのかは、考える必要があります。
どのくらい前にバージョンアップの情報がくるのか、それは連絡してくれるのか自分で確認しないといけないのか、事前確認の環境はあるのか、などは確認しておきましょう。
SaaS導入の失敗のケースに考えられることは?
たくさん注意をしながら進めても失敗することがあります。
考えられる要因について書いてみたいと思います。
業務ユーザのSaaS導入の基本理解不足
業務ユーザのSaaS導入の基本理解不足です。
前述しているように「Fit & Gap」が基本となりますが、昔ながらのシステム開発に慣れている業務ユーザが多いと、その理解をなかなか得られません。
一昔前の知識をもとに、要件を出して、なぜシステムを変えられないのか?受け入れられないとなるケースがあります。
対応策としては、プロジェクト開始時からしっかりプロジェクト方針を伝えておくこと、より上位者へ理解してもらうように働きかけることです。
導入ベンダーの費用の高騰とスキル不足
SaaS導入は社内の情報システム部門では実施ができず、導入ベンダーのサポートを得る必要があります。
しかし、昨今のDXのブームによって、IT人材とくにパッケージ製品やSaaS製品のITエンジニアは枯渇しており、単価が高騰しています。
そのため、導入ベンダーの単価とスキルのバランスは以前とは変わっていることを理解する必要があります。
難しい製品の導入ベンダーの場合人月単価が300万円近くなってしまうこともあります。
上位者のSaaSの導入プロセス理解と従業員のスキル
会社の上位者がSaaS製品の良い面だけを理解しているケースです。
簡単な設定だけすれば使えるんでしょ?と理解している場合です。
基本は「Fit to Standard」と繰り返し書いていますが、それをするためには、社内の情報システム導入に関与するメンバーが業務プロセスを正しく理解していること、ある程度はSaaS製品にも詳しくなることが求められます。
前述の注意点もあり、簡単な作業ではないことを理解してもらい、それなりの時間や労力がかかることを理解してもらい、サポートを得ることが重要でしょう。
SaaS導入のプロセスや注意点のまとめ
SaaS導入の基本や注意点をまとめました。
記載していませんが、SaaS導入をすることのメリットも多くありますので、なんとか成功させたいものですね。
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