ITエンジニア歴10年を超えました。
WBSの作り方とその後の進捗管理について、書いていきます。
世の中に沢山「WBS 作り方」等で調べると作り方は出てくるものの、実際のシステム開発経験に基づくポイントがあまり書かれてないので、そういった点を重視して書きます。
こんな方におすすめ
- 進捗管理について知りたい方
- WBSのポイントについて知りたい方
WBSとは
WBSとは、下記の略称です。
Work:作業
Breakdown:分解
Structure:構成図
システム開発プロジェクトにおいて、作業工程を細かな作業(Work)に分解(Breakdown)し、構造化(Structure)することで管理する手法を指します。
各作業が可視化され、また関係性が明確になることで、プロジェクトの作業の全体像を把握することができます。
プロジェクトの進捗管理をするうえでは必須となるでしょう。
WBS作成の手順
WBSの作成は下記4ステップです。
1.作業の洗い出し
まずは必要な作業の洗い出しを行います。
2.作業の関係性定義
各作業の上下関係や、依存関係を明確にします。
3.各作業の期日の設定
各作業の実行のボリュームを見積もり、期日を設定します。
4.担当者の割り振り
担当者の割り振りを行います。
例:カレーライス作りで例える
私の大好きなジャワカレーの作り方をもとにWBSを作ってみたいと思います。
下記の画像はジャワカレーのパッケージに書いてある「作り方」の写真です。
1.作業の洗い出し
まずは作業を洗い出します。
今回はわかりやすくするために、画像の作り方の言葉をほとんどそのまま持ってきました。
2.作業の関係性定義
作業の関係性と依存性を整理します。
3.各作業の期日の設定
各作業工程の工数を見積もり、期日を設定します。
カレー作りなので時間(分)単位になりますが、システム開発は日単位です。
4.担当者の割り振り
担当者を割り振ります。
WBS作成における気を付けるポイント
気を付けるポイント1:作業をしっかり洗い出す
可能であれば、プロジェクト完了までに発生するタスクを漏れなく洗い出せるといいです。
しかし、1年以上の長期にわたるプロジェクトの場合や、上流工程のタスクが下流工程に影響がある場合は、全てを洗い出すのは難しいです。
そういった場合は、WBSを更新するという作業を入れるといったことで、後続の作業が漏れることを防ぐことができます。
期日の期間があまりに長い場合は、作業イメージがついていないことが想定されます。
例えば「炒める」だけで20分となっているのであれば、それはもう少し作業バラシをしたほうがいいでしょう。
また、不明瞭な作業を定義してしまうことも要注意です。
ありがちなのが「XXの検討」のようなものを作業にしてしまうことです。
カレーライスの例だと、「何カレーを作るか考える」のような作業はNGです。
何をもって作業が完了なのか明確ではないためです。
「作りたいカレー候補を洗い出す」「候補から何カレーかを選ぶ」のようにすると明確です。
作業を細かく定義することは、一般的には良いことですが、管理が難しくなるというデメリットもあります。
気を付けるポイント2:作業の関係性定義
関係性の定義をする際に気を付けることは、レベル間があっているかどうかです。
レベル間が合わないことで、作業の漏れが発生するリスクがあります。
気を付けるポイント3:各作業の期日の設定
期日にはバッファ(猶予)を入れるようにしましょう。
そうすることで、いざ作業に漏れがあった場合に全体スケジュールとしては遅れることがなくなります。
今回のカレーの例では、アクを取るまえに「沸騰するまで煮込む」という作業が漏れています。
沸騰するまで煮込まなければアクを取れないです。
期日設定に余裕がないと、その作業漏れを吸収することができず、計画が破綻してしまいます。
もう一つ大事なポイントとしては、レビューの作業とそれによる手直しの作業を入れるということです。
「具材を一口大に切る」のあとで、私自身としては不安なので妻に見てもらいたいので、その「妻に見てもらう」という作業が必要で、さらに「指摘を受けて直す」という作業を入れる方が良いでしょう。
気を付けるポイント4:担当者の割り振り
担当者をバイネームで1名割り振ることが非常に重要です。
よくチームを入れたり、連名で割り振ることをしがちですが、その作業に対する責任の所在が不明瞭になるため、代表の1名を割り振るようにしましょう。
進捗管理上の注意点
- 期日は簡単には変えない
ついつい期日を変えたくなりますが、ここを変えていくと当初予定に比べてどれくらい遅れているかがわからなくなるため、お勧めしません。
予定期日と実績期日で分けて管理するほうが良いです。
もし、予定期日の方を変更したい場合は関係者合意のもとで変えるべきです。 - 遅れている理由を明確にし、必要であれば課題として管理する
別で課題管理についてはまとめたいと思っていますが、WBS上の遅れというのは軽視されがちです。
遅れるというのは何かの理由があるはずで、そこをしっかりと明確化するということが大事です。 - メンテナンスを怠らない
WBSのアップデートがされなくなるとスケジュールの管理ができなくなります。
ポイントとしては管理項目をミニマムにすることだと思います。
進捗率を細かく管理する、作業を細分化しすぎると、メンテナンスすることが億劫になります。
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継続してメンテナンスし続けることが最も重要だよ
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